婚活女性たちは本当に勘違いをしているのか?
かつて「ビートたけしのTVタックル」で30~40の婚活女性たちを集めて、相手の男性に求める年収を聞くという一幕がありました。そこで挙げられた数字が「1500万円」。
今でもネット上では「勘違い」「高望み」と叩かれる婚活女性たちがいます。では、その女性たちの認識はそんなにゆがんでいるのでしょうか。
総務省の就業構造基本調査で未婚男性で1500万円以上の割合を見ると
年代 | 割合 |
20代前半 | 0・02% |
20代後半 | 0・09% |
30代前半 | 0・1% |
30代後半 | 0・06% |
需給のバランスからすると、確かに1500万円という数字に「人生舐めている」という批判が殺到する理屈は分かります。確かにこれははぐれメタルよりきつい。しかも「居る」というだけで、全員に結婚の意思があるかも不明。

ただ、中高生の子供2人と専業主婦、という家族構成の私としては、この「1500万円」というラインはかなり良い線をついていると思いました。
つまり、「サラリーマン」として
A:子供たちにきちんと教育費をかけられる
B:レジャーもある程度楽しめる(家族旅行や外食)
C:奥さんは専業主婦を続ける
となった場合、税率を考えるとぶっちゃけ1500万円くらい必要だと思うということ。



私は二刀流で頑張り、30代に入るころに年収1000万円に達しました。
ですが、ABCを実践するために、他のほぼすべてを犠牲にしています。
こんな感じです。



つまり、ABCを全部実践して、自分もある程度ゆとりを楽しめる暮らしをするには「サラリーマンでは」年収1000万円では足りないということです。
年収1000万円といっても所得税や住民税をがりがり削られると、実質手取りは700万円ちょっとになります。そこから頑張って収入を上げても、税率が足を引っ張り、思うように手取りは上がりません。マジです。
しかも、様々な給付金も年収制限でもらえません。今回のコロナ関連の給付金もはねられますよね。実際は親から家や土地をもらっている年収700万円の人の方が絶対に可処分所得多いと思うんですが。実態もくそもない。
要は税金はとりやすいところから取る。本当に徹底されています。
それを考えると、修行僧のような生活をせず、楽しみながら上記ABCを完遂するには、「1500万円って案外いい線ついているな」と思っちゃったという次第です。いや、異常なんですよ。サラリーマンでそんなに稼げる人はほとんどいないんで。確かに「なめんじゃねえ」と怒りたくなる気持ちも分かります。正直1500万円を求められましても・・・無理です。そう言うしかないです。
共働きで所得が分散した場合、取られる税金が減り、所得制限ではねられる給付金の種類が減るので、そもそも1500万円も必要ないかもしれませんが。一人ではウルトラハードです。専業主婦希望の女性たちを否定する気は全くないのですが、その難易度は分かってほしいなと。
でも1500万円というレベル稼がないと、今の女性たちが望む「普通」を提供できなくなっているというのも、また異常な事態かと。
子供が小さいうちはイメージがわきませんでしたが、私立の学校に入れ始めると、教育費がどえらいことになります。 回りの子供たちも課金(塾)しまくっているので、もう課金ゲーから降りることもできません。自分はボロボロの安スーツで笑われることには耐えられても、子供が不利になることに耐えられる父親は少数だと思います。
しかもこれから少子高齢化が加速し、社会保険料という実質税金に近しいものがごりごり上がっていく可能性が高いです。下手すると消費税も高くなるかもしれません。そうなると実質的な手取りはさらに減ります。それを上回る給料アップがサラリーマンで見込めるのかという話です。
多分結構厳しいんじゃないでしょうか。少なくとも「普通」というレベルの難易度ではないでしょう。
ただ繰り返し書いているように、上記には「サラリーマンでは」という条件があります。
副業には「経費」という概念を持ち込むことができるので、勝ち目が出てくるというわけです。



個人的には、婚活女性を叩いているよりも、国として教育費に予算をしっかり投じていない現状を論じた方が、建設的だと思っています。教育費がフリーになり、子供にさえ迷惑をかけないなら、かなり自由に生きられるハードルはあがるんですが・・・(泣)。
その方が皆がガンガン色んな事に挑戦し、結果として国全体も元気になるような気がします。
次回は金を稼がなきゃいけないと思ったエピソードを・・・
1500万円希望女性たちはどうなるのだろう





